石垣の隙間を埋める草の花 清
魚町銀天街まちゼミの特別講座として開催された「魚町句会」第二弾。
今回は、講師の福本弘明先生から俳句について学んだ後、小倉城と小倉祇園八坂神社へ吟行に出かけました。
澄み渡る青空の下、俳句の元になる何かを探しながら、ゆっくりと歩いていきました。
いつもと違う視点で見ると、何度も通った道や見慣れた風景が、少し色づいて見えてきます。
参加者の皆さまが詠んだ俳句を通して、小倉の名所を新たな目で感じてみてください。
「俳句の面白さは、作者と読者が二人三脚で何かを作り上げるところにある」と、先生はおっしゃっていました。
この句はどんな人が詠んだのだろう?どんな気持ちで詠んだのだろう?何を感じ取ったのだろう?
そんなことを想像しながら句を眺めてみると、きっと「大人の遊び」の世界に引き込まれるはずです。
秋天や八坂神社の大鳥居 夢野はる香
冬空に白きテントのパルクール 香
小春日や今日は両足よく動く 安子
穂すすきを手折りて今日の祝いとす つみれ
秋天へタワマン天守を見おろして 弘明
秋の水鯉は水輪を壊し浮く 啓子
シャッターのあいだ歩けば秋の城 清
冬隣何百年の木のうねり 夢野はる香
紅葉を知らずに散るや小倉城 香
遡る四百年や冬の昼 安子
異国語のちらほら混じる初紅葉 弘明
開門を待つ猫2匹とつわの花 つみれ
イルミネーション潜りて仰ぐ小倉城 啓子
秋の句を想い歩けば城の前 清
秋暑し太陽の橋渡りけむ 弘明
遠足の子らは整列冬来る 香
人は背を見せて行き交う秋の空 夢野はる香
百円で大きな願い石蕗の花 安子
石垣とお堀をのぞく大銀杏 つみれ
冬の暮紫川は橋多し 啓子
第二回の魚町句会の作品はいかがでしたか?
今回もバリエーション豊かな作品が並びました。
みんなで一緒に歩きながら作った俳句なので、私たちには「あの場面だ」とか「この時のことを詠んでいるんだろう」と、なんとなく想像がつきます。
本来、背景を全く知らない人にもさまざまなイメージを抱かせることができる俳句が良い句なのでしょうが、今日のような俳句もまた一興だと感じました。
皆さまはいかがでしょうか?
次回は、旦過市場と魚町銀天街を吟行した第3回の様子と作品を報告いたします。乞うご期待ください。